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平成23年3月16日から

大震災
 はい、長念寺テレホン法話です。
 3月11日三陸沖でマグニチュード9.0の大地震がおきました。私の寺でも、経験したことのない大変な揺れを感じました。その後、刻々と伝えられる被災情報を見、その甚大な被害に胸つぶれる思いです。被害に遭われた方々に対し心からお見舞い申し上げます。大津波の映像を見るたびに、自然の威力の恐ろしさと、文明を謳歌していた私たち人間の非力さをつくづく感じます。
 私の住む地域では、棚の上のものが落ちたという話は時々聞きますが地震による建物などの被害の話はは聞こえてきません。しかし、地震直後、交通機関のほとんどが止まってしまった首都圏では帰宅難民があふれました。長念寺併設の稲田保育園では、多くの園児が閉園時間を過ぎても保護者の迎えがなく残っていました。都心や横浜などから徒歩で帰宅する保護者があり24時を過ぎても10名以上のこどもが残り、最後のお母さんのお迎えは午前4時10分でした。したがって職員の帰宅は4時30分になりました。
 震災から5日目になりました。計画停電がはじまり、今はお互いに不自由に耐えるときだと思います。しかし、情報が不十分なため、人々が買いだめに走り商店に品物がなくなったりしています。このような状況が長く続くとは思えませんが、停電に関する事前の情報が極めて不備であり、正確な情報を常に提示して不安を最小限に押さえることが急がれます。私自身、お寺や保育園のある地域が、第4グループに含まれるのか、第5グループに含まれるのかわかっていません。まだ、それを調べるすべもわからずにいます。一度停電になればわかることですが、まだ、計画停電が一部でしか実施されていないので不安が継続しています。
 しかし、私たちが今できることは、過剰な反応をせずに、しかも被災地を常に意識しながら、日常をいつも通りに過ごすことだと思っています。物理的に無理である場合を除いて過度の自粛は避けなければなりません。一昨年、新型インフルエンザ問題のとき、感染力が弱く対処法も明らかになってきたにもかかわらず、行事等の自粛をいつまでも続けていたことを思い出します。過度の自粛は、マイナスになるだけで何の役にもたちません。
 また、福島第1原子力発電所の状況も予断を許さない事態になっています。震災の復興には、長い期間が必要です。私たちにできることは何か、いつも考えながら行動させていただきたいと思います。
 次の法話テープの交換は4月1日です。