法話へ

平成21年6月16日〜

光を観る
はい、長念寺テレホン法話です。
 長念寺恒例の団体参拝旅行、今年は6月10日・11日の二日間、北関東の親鸞聖人ご
 旧跡参拝の旅でありました。今回は33名のご参加を得、にぎやかに参拝してまいりま
 した。長念寺としましては北関東のご旧跡参拝は、一昨年に続いて二回目になります。
 朝6時30分に長念寺を出発、10時半過ぎに二十四輩第十三番信願坊の慈願寺さんに
 着きました。毎月お寺の研修会でお世話になっている池田行信先生のご自坊です。門徒
 のみなさん方も親しみを持って訪問させていただきました。池田先生のお話の中で、
 「観光するということは、光を観るということ。
 光とは歴史、聖人のご旧跡参拝ということは八百年の歴史を見るということ」とのお話
 をいただきました。そのひとことで、今回の旅行の目的が参加者全員に、明確に伝わり
 ました。私を含めて、旅行の視点が定まったと思います。慈願寺さんを最初に設定させ
 ていただいて本当によかったと思いました。
 今回は、本願寺二代目の如信上人のご往生の地でありお墓所のある大子の法龍寺。
 二十四輩第十二番善念坊の善徳寺。大部の平太郎のお寺、親鸞聖人の田植え歌で有名な
 真仏寺。聖人が関東で最初に草庵を築かれた小島の草庵跡。柊の道場下妻の光明寺に
 参拝いたしました。
 今回の旅行では、本願寺第二代の如信上人と第三代の覚如上人のお名前が頻繁にでてき
 ました。ご門徒のあいだではあまり耳にすることの少ない名前だけに、興味がわかない
 のではないかと心配しましたが、京都に一度もお住まいになられなかった如信上人、
 そして本願寺の興隆に夢を抱き努力された覚如上人、お二方が北関東のこの地でご教化
 をされ、そのことが今に着実に伝えられていることを実感することができました。
 おふたりのご生涯の一端を窺えたことは貴重な体験でありました。
 小島の草庵、見渡す限り田んぼの中、ぽつんと草庵跡がありました。周囲をながめ
 「八百年前はどうだったのでしょう」という話になりました。まさかこのような人家の
 ないところにご教化の拠点としての草庵を築くことはないのではないか。周囲には集落
 があったのではないだろうか。今と昔では様相が違 うのではなかろうかという話にな
 りました。歩きながら想像をたくましくしたことでありました。
 親鸞聖人のおられた鎌倉時代から八百年、綿々と受け継がれてきた御法の灯火を実感
 した二日間でありました。
 次の法話テープの交換は7月1日です。