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平成22年7月16日〜

親鸞聖人像
 はい、長念寺テレホン法話です。
 長念寺にあります親鸞聖人像、4月24日に厳修された親鸞聖人750回大遠忌神奈川組お待ち受け法要を皮切りに、全国にご教化の旅に出ていらっしゃいます。4月28日からは日本橋三越にて親鸞展に出展され、その後、五木寛之さんの小説『親鸞』を掲載した新聞社の主催で全国を巡回しています。詳しくは、インターネット上で、「親鸞展」で検索しますとすぐ公式ホームページを見ることができます。(公式ホームページ http://www.shinranten.jp/)
 長念寺の親鸞聖人像は、平成13年に仏教造形研究所の本間紀男先生により制作された親鸞聖人像です。長念寺では平成14年にご動座法要をお勤めいたしました。したがって平成になってから制作された新しいお像です。このお姿は聖人の寿像(生前の肖像画)といわれる「鏡の御影」や「安城の御影」を基本として種々の絵像をもとに立体化されたものです。
 聖人没後740年を経て制作された新しいお姿ですが、天平時代に用いられた脱乾漆という技法によって作られています。脱乾湿像で有名なものは唐招提寺の鑑真和尚像、そして最近大変な注目を集めた興福寺の阿修羅像などです。漆を固め仕上げは籠手をもって細工することから、繊細な表情を持つという優れた特徴を持っています。しかし、日本の彫刻は、脱乾湿像は天平時代で廃れてしまい木彫が主流になり現在に至っています。
 親鸞聖人像の制作者である本間先生は、彫刻家でありまた天平時代の彫刻技法の研究者でもあります。天平時代の技法により、私たちが各種の絵像などから持ち得ている親鸞聖人のお姿のイメージを的確に表現して下さっています。
 平成のお像であるにも関わらず、親鸞展のメイン展示として選ばれたのは、そのような理由があったからに違いありません。
 付属する小物についても「安城の御影」にもとづいて、火桶・猫皮の草履・桑の木で作られた鹿杖が再現されています。
 親鸞展は、日本橋のあとは東北地方を巡回し、7月は盛岡、8月には山形市で開催されます。全国各地を巡り最後は沖縄で開催される予定です。日本橋三越で開催された親鸞展には5万人に近い方々が訪れたそうです。参観された方々が、親鸞聖人のご生涯を学ぶ中で、その思想が800年間脈々と伝わり、現代でも生き生きとひろめられている事を、平成の聖人像を通じて全国のみなさまに感じていただければありがたい事と思います。
 次の法話テープの交換は8月1日です。