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平成23年1月16日から

御正忌報恩講
 はい、長念寺テレホン法話です。
 1月9日から16日まで、京都の西本願寺では御正忌報恩講が勤まっていま
す。
 私は毎年、ご門徒の皆さまと一緒に日帰りで御正忌に参拝しています。いつ
も感じることですが京都の寒さは特別なものがあるような気がいたします。ま
だ夜の明け切らぬ登戸を出発、晴天の新横浜から新幹線に乗り一路京都に向か
います。岐阜羽島を過ぎると次第に雪雲に覆われ雪景色に。米原を過ぎ、京都
も雪かと思っていましても、いつの間にか雪はなくなってしまいます。しかし
風は冷たく比叡おろしが吹くときには、京の町には風花が舞います。
 報恩講は、寒さの中勤めるのが通例です。親鸞聖人がお亡くなりになられた
ときも、さぞ寒かったのだろうと偲ばれます。しかし、最近は暖冬が続いてい
ましたので、長念寺の報恩講は12月であるにもかかわらず向拝の戸が開け放
された状態でお勤めしたこともありました。暖冬について話題が及ぶとき総代
さんが、「昔は11月3日の文化の日には氷が張ったものだ」とひとつ話に語
られます。
 冬型が強まれば強まるほどカラカラに乾いてしまう関東平野、まして雪山が
遠く離れている登戸に住む私たちは、晴天に風花が舞う様子など見たこともあ
りません。御影堂に向かう道すがら、風花が舞う美しさに見とれながら、「京
都の寒さは違いますね」と口々に言い寒風に身をすくめ歩を進めます。暖房こ
そありませんが、人の温もりが感じられるご本山での満堂の法要は懐かしさに
満ちています。
 一昨年までは阿弥陀堂(総御堂)でしたが、昨年からは修復なった御影堂で日
中法要に参拝し、声を揃えてお勤めをします。大遠忌のために新しく制定され
た『宗祖讃仰作法』というお勤めです。法要が終わりますと書院対面所(鴻の
間)でのお斎をいただきます。一昨年は待機場所になる竜虎殿が工事中であっ
たため虎の間の寒い部屋で待ったことなど話をしながら案内を待ちます。
 お斎の場である鴻の間には電子カーペットが敷かれ、参拝者への配慮に感激
し、開明社の方々のご接待で、お斎をいただきます。西京味噌の味噌汁は関東
の人間には戸惑いがありますが、折り詰めのお惣菜まですべておいしくいただ
きます。
 その後、京都での短いひと時を過ごし帰途に就きます。大変充実した一日、
ハードなスケジュールにもかかわらず、毎年多くのご門徒が参加してください
ます。
 次の法話テープの交換は2月1日です。