法話HPへ

平成23年8月1日〜

盂蘭盆会
 はい、長念寺テレホン法話です。
 8月8日は長念寺の盂蘭盆会です。
 この地域には浄土真宗のお寺は、長念寺しかありません。あとはみな違う宗派のお寺です。お盆の時期、他宗のお寺では、「お施餓鬼」をつとめます。「お施餓鬼」もお盆の行事です。前回のテレホン法話で紹介した『盂蘭盆経』で、目蓮尊者が行った総供養は、死者に対する追善供養であり、まさに餓鬼道に落ちた母親に善を施す行為です。それが、「施餓鬼」です。施餓鬼という言葉、読みくだすとまさに「餓鬼に施す」であります。
 ただし、この言葉、どう考えても真宗的ではありません。「餓鬼に施す」という場合、「餓鬼って誰」「施す主体は誰」という疑問がわいてきます。私たちはご先祖を餓鬼とは考えません。仏さまを前にしたとき、私自身の中に餓鬼の姿が見えてきてしまうのが現実です。ましてや阿弥陀さまのお浄土にいらっしゃるご先祖に対して、「施餓鬼」というのはあまりにも申し訳ないことであります。
 他宗の影響で、長念寺の盂蘭盆会を「お施餓鬼」という人が時々いらっしゃいますが、浄土真宗の教えの上から、私たちが「お施餓鬼」というのは誤りであると知っておかなければならないことと思います。
 私たちは、「盂蘭盆会」を、仏教で伝統的に行われてきた「安居」のようなものであると考えています。「安居」とは、お釈迦さまの時代、雨期になりますとインド各地でそれぞれ活動していたお弟子たちが一堂に会し、仏教のみ教えをお釈迦さまの元で確認し合う恒例行事です。お釈迦さまがお亡くなりになられたのちも、仏教教団はその行事を大切に守っています。長念寺では、毎年広島から藤田徹文先生をお招きし、みなでご法話を聴聞いたします。
 長念寺では8月8日、午前の法要では、特に新盆の方々にご案内をして法要をお勤めいたします。毎年大変大勢のご門徒の方々にご参拝いただきます。また今年は、午後の法要で、音楽法要をお勤めする予定です。ご本山での親鸞聖人750回大遠忌法要でお勤めした音楽法要の和讃念仏をご一緒にお勤めいたします。
 長念寺におきまして盂蘭盆会は報恩講に次ぐ大きな催しです。当日は多くの人々が裏方として法要を支えています。法要に参拝しご法話を聴聞したあと、その方々の様子もご覧になっていただければと存じます。
 次の法話テープの交換は8月16日です。