はい、長念寺テレホン法話です。
12月4日・5日は長念寺の報恩講です。
報恩講は、宗祖親鸞聖人のご恩徳を偲ぶ集いで、浄土真宗の寺院では
最も重要な法要です。本願寺第3代の覚如上人が、親鸞聖人の33回忌に
『報恩講式』を撰述されたことにより報恩講が行われるようになったといわれ
ています。本願寺派では、本山・西本願寺で親鸞聖人のご命日である
1月16日をご満座として、毎年9日から8日間営まれます。そして本願寺派の
寺院では、それに先立って報恩講を勤めます。ですから本山の報恩講を
「ご正忌報恩講」、一般寺院の報恩講を「お取り越し報恩講」と言います。
私たち浄土真宗の門徒にとりましては、親鸞聖人を偲びそのお徳を讃えて
各寺院で報恩講をお勤めし、ご正忌には皆で本山の御影堂にお参りし、
ご真影さま(親鸞聖人像)のもとで親しくご正忌報恩講をお勤めする大切な
年中行事となっています。
また今年は750回大遠忌の年でもあり、節目の年としてより懇ろに報恩講を
お勤めしているお寺も多いことと思います。
親鸞聖人は、その主著であります『教行信証』の草稿を関東の地で完成させた
といわれています。しかし、その後も推敲を重ねていかれます。それは、
学者であり求道者であった聖人の姿であり、またお念仏のみ教えを伝える
教化者であった聖人のお姿でもあったのだと思います。経典や論書を通して
理解し深めた信心の味わいを、ひとびとに語り共感を得られたかどうかを
確認しつつ、推敲を重ねていかれたのだと思います。
上野の国立博物館で開催されている「法然と親鸞展」で拝見することの
できました親鸞聖人の直筆の数々には、経文の空白に埋め込むように
書かれている細かなメモ書きがありました。ご門徒との対話の後、聖人が
必要と思われた、論釈を次々書き込まれて言ったのだと思います。
『教行信証』は、推敲に推敲を重ね、初期の目的とは異なったものに
なったのかもしれません。しかし、それは、親鸞聖人の信仰告白であることには
間違いはありません。
750回大遠忌の報恩講、大切にお勤めしたいと思います。また、
ご本山にも是非とも大勢で参拝させていただきたいと思います。
次の法話テープの交換は12月16日です。
報恩講