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平成24年7月1日から

ご旧跡での発見と興味
 はい、長念寺テレホン法話です。
 恒例のご旧跡参拝旅行。
 一日目は、福島県白河の2カ寺に参拝し、宿泊は那須のホテル。
 二日目は、東北道から北関東自動車道を経て、茨城県を一気に南へと駆け下り、結城の称名寺へ向かいました。茨城県も東日本大震災により大きな被害を受けた地域です。称名寺さんも山門は倒壞しないように筋交いをしてあるなど境内には地震の爪痕がまだ残っていました。
 称名寺は鎌倉武士に因んだお寺でありまた玉日姫の坐像があるなど玉日伝説を伝えているお寺でもあります。定説があるようでないのが、親鸞聖人の妻帯の問題。800年前の歴史ロマン、興味深くご住職のお話をうかがいました。
 最後に訪れたのが、更に南に下がった常総市蔵持にある願牛寺。願牛寺は親鸞聖人が関東に来られて最初に建てたお寺との伝説があります。聖人が稲田の草庵に向かわれる前、3年ほどお住まいになられたとのことです。江戸時代には本山からご旧跡・由緒寺院として庇護を受け広大な境内を持つお寺となります。しかし、明治24年に落雷による火災で全焼した後は荒廃していた時期があり、現住職ご夫妻が復興に尽力されています。たまたま坊守が願牛寺の坊守様と親しくさせていただいていたことから、今回の訪問に繋がったのですが、とても印象深い参拝となりました。
 今回訪問寺院は4カ寺でありましたが、バスによる移動距離は長く、800年前、鎌倉時代、親鸞聖人の活動範囲であったであろうことを考えますと、あらためてその健脚ぶりに驚きを覚えることであります。そして、それぞれのお寺に残る伝説は、親鸞聖人のご生涯や浄土真宗の歴史、また個々の寺院の歴史に対する興味を倍加します。今回の旅行は、私にとりまして、江戸時代の真宗寺院、特にご旧跡がどのような形でお念仏の人々の参拝の対象になっていたのかを知りたいという、新しい課題をいただいたような気がいたします。
 ご旧跡参拝旅行の企画は、北関東は3回目で、その間に越後や三河に行きました。毎回30名前後の参加者を得、訪れた各寺院で一緒に偈文をお勤めし、ご住職のお話を窺います。それぞれ現地へ赴かなければ聞くことのできないお話を聞き、毎回新鮮な感動があります。それを楽しみに参加してくださる方々も増え、次の企画をするのが楽しみになっています。
 次の法話テープの交換は7月16日です。