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平成24年8月1日から

盂蘭盆会
 はい、長念寺テレホン法話です。
 盂蘭盆会(うらぼんえ)。長念寺では毎年8月8日にお勤めしています。12月の報恩講に次ぐ大きな法要です。
 「盂蘭盆」という言葉、平素耳にする言葉ではありません。ですが「お盆」のことですから、誰もが知っている行事であります。「盂蘭盆」は、印度の言葉サンスクリット語の「ウランバーナ」を漢字に音訳したものです。もともとの意味は、「逆さ吊りの苦痛」すなわち物事を正しく判断することのできない迷いのありさまを意味している言葉です。
 しかし、時代が下って中国や日本では、目連尊者が地獄に落ちていた母親を救う説話が説かれている『盂蘭盆経』が尊重され、先祖供養の行事として盂蘭盆会が欠かせない行事として定着していったのです。
仏教では「会」という字を「え」と発音し、会合とか法要をあらわす言葉として使用します。すなわち「盂蘭盆会」とは「お盆法要」のことであります。
 それぞれのご家庭では、毎年お盆をお勤めのことと思います。お盆はご先祖を偲ぶ年中行事として大切に習慣化されていることであります。
 そして、お寺では毎年、お盆の時期の一日を門信徒のご先祖に対する総追悼法要として盂蘭盆会をお勤めするのです。お寺の御本尊・阿弥陀さまの御前に門信徒が集い、ご先祖を偲び、仏法を聴聞して感謝の心をあらわすことから、「盂蘭盆会」を「歓喜会(かんぎえ)」とも言います。
 その時にお寺へ持参するお布施を「盆粉(ぼんこ)」という習慣が残っているお宅があります。それは、盂蘭盆会に門徒が小麦粉を持ち寄り、当番がうどんを打ち「お斎(おとき)」として皆で食した習慣の名残です。ちなみに長念寺の盂蘭盆会のお斎は現在でもうどんです。
 長念寺では、午前の法要では新盆を迎えられた方々を対象に、初盆合同追悼法要をお勤めしています。新盆を迎えられた方々と一緒に法要に臨むのもよろしいと思います。また、午後の法要で、ゆっくりお勤めすることもお盆にふさわしいことと思います。
 空調が完備され、外は暑くても本堂内は快適です。ご先祖を偲び、そして仏法をゆっくりと聴聞させていただき、日頃忙しさにかまけてなおざりになりがちな心の問題に目を向けることができるのも、盂蘭盆の本来の意味に適うことであると思います。
 次の法話テープの交換は、8月16日です。