平成25年12月1日

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核弾頭?
 はい、長念寺テレホン法話です。
 ラジオから、「原子力発電所の敷地に核弾頭があるかどうか慎重に調査をし
ています」とニュースが流れてきました。一瞬、イランで非核化の協議が一気
に進んだのかなと思いました。しかし、それは日本での話。すぐに、私の聞き
間違いで、「核弾頭」ではなく「活断層」だということに気づきました。
 「核弾頭」も「活断層」も、核武装化を進めたい思っている人にとっても、
原発を推進しなければならないと思っている人にとっても、実際にはあったと
しても隠しておきたい事実であります。秘密保護法案は、際限なく拡大解釈で
きるとの指摘があるにもかかわらず、政府は「今後検討をしていく」というよ
うな曖昧な答弁に終始して、多数の力で押し通す様相です。
 阿部首相は、拡大解釈をするようなことはないと言っています。しかし、阿
部さんの言葉を信用するとしても、その次以降の政権ではどうなるか分からな
いのです。法律は、文章として成立してしまえば、あとはその時々で法律をど
のよう解釈するかわかりません。成立時の意図は無視されてしまいます。です
から、付帯条件もしっかり明文化しておきませんと、秘密保護法案のように著
しく国民の権利を制限する可能性のある法律は、よほど慎重に審議していただ
かないと心配です。
 私個人のことですが、このところ人権について学ぶ機会が増えました。最
近、「なるほど」と感じたことは、多数決は万全ではないということです。た
とえば、学校のクラスで掃除当番を決めるのに、毎回多数決で決めることにし
ました。しかし、選ばれるのは毎回同じ人ばかりです。これでは、民主的とは
言えません。多数の暴力になってしまいます。いじめと言ってもよいでしょ
う。
 秘密保護法案は、多方面から現在の法案のままでは反対だとの意見が出てい
ます。この法律は、政府にとって都合のよくなる法律です。国会議員が国民の
ためを思って働いていてくれているのでしょうか。所詮党の言いなりにしかな
れない落下傘議員の集まりなのか、よく見定めなければなりません。
 最近気になることがあります。反対意見は腕力で押しつぶす。見えない圧力
で自粛に追い込む。そのような雰囲気が見え隠れしているからです。国会は、
そうではないと信じたいのですが……。
 親鸞聖人は、権力(政治)に対して一定の距離をおいた方でありました。権
力は時として庶民に悪さをする。ただし、私たちの心までは奪えない。と達観
した考え方をしておられます。もい聖人が現代におられたら、どのようにお考
えになるでしょうか。
 次の法話テープの交換は12月16日です。