長念寺平成大改修では平成26年から、平成29年にかけて新客殿・庫裏の建築並びに、旧庫裏(くり)並びに本堂の文化財保存修理をしています。
文化財保存修理
長念寺では開基以来の大規模な改修工事となります。特に、旧庫裏と本堂は、市の重要文化財にも指定されているため、文化財保存修理に伴う特殊な修理方法を用いています。
文化財の保存修理では、建築の歴史的な価値を確かめ、その価値を損なわないように修理をする必要があるために、まず緻密な調査を行います。
創建から現在に至るまで、どのように増改築がなされてきたのかを確認するため、近年に施された増改築部分を解体し、古い部材に残された仕口(二つの木材を接合するために刻んだホゾや継手、組手の総称)の痕跡調査を行ってかつての形状に戻していく工事を進めます。また、建物の骨格となる柱・梁などの痛み具合を調査し、将来を見据えた修理・補強も行います。
修理をするに当たっても、古材をなるべく残す(歴史的な価値を損なわないようにする)ため、部分的に腐朽しているだけの木材などは新たな材に交換するのではなく矧木や根継といった工法を用いて修理します。また、新規の部材に関しては、「平成○○年度修補」の焼印を押し、いつの時代の改修かを後世に残すとともに、古色塗りを施して建築物としての調和を整えます。その他にも古来の建築技法・最新の建築技法を用いて文化財としても、お寺としても50年、100年先を見据えた修理を行います。
詳しくは、川崎市教育委員会、松井建設(株)が文化財保存修理に際して作成した資料が下にありますのでご覧ください。
関連資料
教育委員会文化財解説シート | 揚家(あげや)曳家(ひきや)見学会資料 |
旧庫裏保存修理資料(1) | 旧庫裏保存修理資料(2) |
旧庫裏保存修理資料(3) | 本堂保存修理(1) |
本堂保存修理(2) | 本堂保存修理(3) |
本堂保存修理(4) |